assahi.comによると、消費者金融大手アイフル、プロミス、三洋信販の3社が、借り手の死亡時に備え生命保険をかける制度について、廃止も含めて見直しを検討しているそうです。
借り手の死亡時に備え生命保険をかける制度は、「命を担保にしている」などと批判されていました。
http://www.asahi.com/business/update/0920/099.html 確かに、この制度には、遺族の負担を軽くするというメリットもあります。 生命保険がかけられていれば、死亡時の生命保険によって、家族の負担はなくなるか、軽減されます。
生命保険がかけられていないと、借金が残された家族に引き継がれる可能性がでてきます。
遺産相続は放棄が出来ます。また、限定承認も出来ます。従って、負債(借金)は、引き継がなくても済みます。財産がないか少ない場合は、放棄や限定承認で夫妻を引き継がないことにすれば、問題は解決します。
また、遺産がたくさんあるときは、相続した遺産から借金を返せばいいのですから、話は簡単です。
しかし、家や土地があり、現にそこに住んでいるような場合、遺産放棄も限定承認も苦しくなり、残された家族は困ったことになる可能性もあります。
残された家族の立場とすれば、借り手の死亡時に備え生命保険をかける制度が廃止されて、困る面もあるのも事実だと思います。
また、借り手の自殺が問題になっていますが、借り手の死亡時に備え生命保険をかける制度が自殺を助長しているといえるでしょうか?
厳しい取り立てや借金苦が自殺の原因なのであって、借り手の死亡時に備え生命保険をかける制度が借り手の自殺を助長している側面はそれ程大きくない気がします。
自殺を防ぐには、借りすぎを防ぐこと(借りられる上限を抑えるなど)、厳しい取立てを刑事・行政罰両面で徹底的に取り締まる、厳しい取立てを民事的に抑制する、などの手段が有効だと思います。
特に、厳しい取立てを民事的に抑制することが重要だと思います。
厳しい取立てによって精神的苦痛を受けたり、厳しい取立てによって精神的に苦痛を受けて体調を崩した時に、慰謝料や損害賠償を受けられるようにする。厳しい取立てによって自殺に追い込まれたときも、慰謝料や損害賠償を発生させるようにする。
苛めによって自殺に追い込まれたら、苛めた側に、死んだことに対する損害賠償責任等が発生する場合もあるのと同じ理屈です。
そして、自殺と厳しい取立ての間の因果関係の認定を積極的に行っていくことも大切だと思います。
これらのことで、厳しい取立てはある程度抑制でき、自殺もある程度防げるようになるのではないでしょうか。
また、厳しい取立てをなくしていくには、厳しい取立てに対する取締りと、刑事・行政罰の重罰化と民事責任の徹底追求のほかにはないと思います。
こうして考えていくと、借り手の死亡時に備え生命保険をかける制度自体は、残された遺族にとっては、それほど悪い精度ではない気もします。
残された遺族の負担を減らす面があるのは事実ですし。
しかし、借り手の死亡時に備え生命保険をかける制度には、どうしても看過できない問題があります。
最大の問題点は、
生命保険の受取人が貸金業者になっているということです。
生命保険を遺族が受け取るのではなく、業者が受け取るというのは、非常に大きな問題だと思います。
家族を受取人にした生命保険に入る制度にすると、借り手の死亡時に備え生命保険をかける制度は一転するように思えるのですが、どうでしょう?
業者ではなく、家族が生命保険の受取人になるだけで、制度の意味合い・イメージ・実質は全く違ったものになる気がします。
もうひとつの問題は、きちんと説明もせずに、借り手の同意も曖昧なままに、生命保険をかけてしまうことにあると思います。
きちんとした説明と、借り手のはっきりとした同意は、生命保険を掛けるさいの、当然の前提条件にすべきです。
家族を受取人にすること、説明と同意を厳格にする、ことを条件にして、借り手の死亡時に備え生命保険をかける制度は存続させてもいいと個人的には思います。
家族の負担はなくなりますし、業者は貸し倒れを防げますし。
ただ、掛金は借り手が負担することになるでしょうから、借り手がどれだけこの制度を利用するかは、大いに疑問ではありますが..。